【産官学連携】企業×研究所×学生が企画・開発!
人とペットが共に備えられる防災食「With Bite」誕生秘話
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災害時の備えとして注目される「ローリングストック」。その中でも、“人とペットが同じものを一緒に食べられたら”という新しい発想と想いから生まれたのが、今回の防災食「With Bite(ウィズバイト)」です。
防災時だけでなく、普段のおやつとしても楽しめる美味しさに仕上がっており、「もしもの時も、いつもの時間も、一緒に食べられる」という安心を届ける商品です。
信州松本動物専門学校 動物看護師3年生たちは、go.goat(ゴーゴート)様・長野県工業技術総合センターと連携し、学生たちが企画からマーケティング、PRまで取り組む産官学連携授業を実施しました。この記事では、学生たちが関わった「開発秘話」をご紹介します。
1. 災害時のペット備えに関する最新データ
最新の調査(ユニ・チャーム2025年)では、92.7%の飼い主様が「災害時の備えに不安を感じている」と回答しています。
また、ローリングストックの実践率は36.4%にとどまり、避難所の環境不安から「避難所以外で過ごす」と答えた飼い主様が9割以上にのぼるなど、“人とペットが共に安心して食べられる備蓄食”の必要性が高まっています。
2. 商品名に込めた想い
「With Bite」という名前には、“飼い主とペットが一緒に噛んで食べられるものをつくりたい”という学生たちの願いが込められています。災害時でも、普段の生活でも、「同じものを一緒に食べられる安心感」を届けたい——そんな想いから生まれた商品名です。
3. 他の候補
開発初期には複数の候補名が挙がりましたが、調査を進める中で商標登録の関係で使用できない名前が多いことが判明しました。学生たちは落胆することなく再検討を行い、想いが最もシンプルに伝わる名前を探し続けました。
4. どうやって決定した?
- ・商品コンセプトに最も合致していた
- ・飼い主とペットが一緒に食べられる価値が伝わる
- ・商標上もクリアである
こうして、学生の想いと実務の両方を満たす商品名「With Bite」が誕生しました。
5. 授業の様子
授業では、学生たちがAチーム(マーケティング)・Bチーム(宣伝)に分かれて進行しました。
一般の方への試食会に向け、「答えやすく、かつマーケティングに活用できるアンケート」の作成に苦労しました。質問の順番や表現を何度も見直し、ようやく納得のいく調査票を完成させました。
商品内容がまだ公開できない段階で、「どう魅力を伝えるか」が大きな課題に。SNSの使い方、POPデザイン、言葉選びなど、制約の中で最大限魅力を伝える工夫を重ねました。
6. 企業様からの温かいメッセージ
株式会社ゴーゴート 代表・八木様より
「ペットも家族であり、同行避難を前提に備える必要性について自ら課題を捉え、意見を出し、形にしていった発表はとても堂々としていて、胸が熱くなりました。」
7. 開発の裏側:企業と研究機関のこだわり
- ・りんご加工で出る“ざんさ”を活用し、アップサイクル商品として仕上げた
- ・長野県産の素材にこだわり、地域性を大切にした
- ・保存性を保つため、水分活性の調整に苦労した
- ・人とペットが同じものを食べられるよう、砂糖・塩・バター不使用で試作を重ねた
8. 試食会で寄せられたリアルな声
- 「“非常食で”これが食べられるのは嬉しいと思います!美味しかったです♡」
- 「もう少し柔らかい方が食べやすいです。とても美味しかったです。」
- 「大豆の味がして美味しかったです。」
- 「ペットと一緒に食べられるのが良いと思います。」
- 「子どもも好きな味だったようです。」
「もう少し柔らかい方が…」という声については、非常食としての保存性を確保するため、水分活性の調整を行った結果、現在の固さになっています。
固さが気になる人やペットには、お水などに浸していただくと食べやすくなり、美味しく召し上がれます。
10. まとめ
学生たちの柔軟な発想、企業の専門性、研究機関の技術が合わさって誕生した「With Bite」。
“人とペットが一緒に食べられる防災食”という新しい価値を形にした、まさに産官学連携の成果です。
本格的な販売は、来年から。現時点では、黒姫高原スノーパーク様、信州新町道の駅様などがあるようです。今後の販売展開も予定されており、楽しみです。以上、学生たちにとっても大きな学びとなったプロジェクトのご報告でした。
今回の連携授業にご協力いただいた企業様
本プロジェクトでご協力いただいた go.goat様(ChillわんChillつま) の公式ホームページはこちらです。 ※2025年12月23日時点


