カサイです

自動車整備学科の1年生が毎年、一番最初にやる実習は工作です。

マイナスドライバーの製作を通して、金属加工の技能を学びます。

まず、直径２６ミリの鉄の丸棒を弓ノコで切断して柄の部分を作っていきます。

まっすぐ切るのは意外と難しい。

切断した丸棒を鉄鋼ヤスリで削って四角柱にします。

なかなかフィジカルな実習ですが、みんな黙々と作業していました。

ノギスで測定しながら１辺２０ミリぴったしを狙って仕上げていきます。

0.05ミリ単位で寸法精度を評価されます。

ボール盤を使って、ドライバーの軸が入る穴をあけます。

３ミリのドリルで下穴をあけてから、５ミリの穴に拡張します。

あけた穴にタップを使ってネジ山を作っていきます。

失敗すると、タップが折れてしまいます。

折れたタップを取り除くことはできないので、別の場所に穴をあけてやり直しですね

その後は、柄の部分は自由に加工して好きな形にしてOK。

センスと発想力が問われます。

マイナスドライバーの部分は、太さ６ミリの丸棒を切り出し、熱して成形します。

カサイは、ガス溶接機で炎を出してサポートします。

赤く熱した鉄をハンマーで叩いて、平べったくします。

マイナスドライバーをイメージしながら・・・。

形ができたら、熱した鉄を急激に冷やして「焼き入れ処理」をします。

ドライバー先端部を硬くするためです。

水だと錆びやすいので、オイルに漬けて急冷します。

その後、ベンチグラインダーで削って形を整えます。

道具の安全な使い方も勉強してもらわなくては。

うーん、ちょっと微妙か？・・・。

柄の部分と合体するために、ダイスでネジ山を作ります。

水平を確認しながら慎重に削っていきます。

最後に紙ヤスリとコンパウンドで表面をキレイに磨いて完成。

ドライバーでネジを回す際に柄が緩んでしまうのを防ぐため、ナットをはめて締め付けてあります。

今年も世界に一つだけのオリジナルな工具がたくさん生み出されました。

自動車整備をしていると、変形した部品を成形したり、ネジ山を立て直したりすることがよくあります。

そんな時、今回身につけた技能が必ず役に立ちます。

みんな、お疲れさん～

ほじゃまた