医療現場を支える、
笑顔がチャームポイントの名脇役。
全日制 / 2年制 / 定員:30名(男女)
健康的な生活のために不可欠な医療は、医師・看護師をはじめとした多くの医療従事者で支えられています。
当学科は、医療機関の円滑な運営に欠くことのできない医療従事者のひとり、医療秘書スタッフの養成を行っています。以下は、医療現場ごと仕事内容とその名称が異なる主な医療秘書分野を紹介します。
医療スタッフを支える
医療秘書は患者様への応対はもちろん、医師や医療スタッフの仕事を支え、サポートします。スケジュール管理や書類作成などの秘書業務からカルテ整理、受付など、医療活動がスムーズに運ぶよう活躍するコミュニケーターです。人と接するうえでの一般的なマナーや常識も必要とされます。
職種・就職先は
●病院院長秘書
●医局秘書
●大学病院教授秘書
●看護師長秘書
●病院・クリニックの受付会計
医療現場を支える
病棟に関わる事務全体を担当する仕事。入院患者様の応対や事務処理、看護師のフォローを行う重要な存在です。医事課や医局とは異なり、医療現場に近いところで活躍できるやりがいの大きい仕事です。。幅広い能力が必要とさ れます。
職種・就職先は
●病棟・外来クラーク
●小児クラーク
病院の運営・経営をサポート
受付や会計業務、請求事務などの専門スキルを身につけた医療事務のスペシャリストです。医事課などに配属され、レセプト業務を中心に医師や看護師をサポートします。
職種・就職先は
●病院・クリニックの受付会計
●請求事務
●レセプト点検業務
●診療アシスタント
専門知識を身につけ
ドクターをサポート
業務過多な医師に代わり、アシスタントとして様々な医師の事務作業を担当。電子カルテへの代行入力や各種書類の作成などでドクターをサポートする事務職員です。
職種・就職先は
● 医療クラーク
( 医師事務作業補助者)
調剤薬局で活躍したい
保険調剤を行う調剤薬局等で、薬に関する専門知識を持って調剤報酬明細書を作成する専門スタッフです。
職種・就職先は
●調剤薬局事務
歯科医院でアクティブに働く
歯科医院での患者様への応対をはじめ、会計、事務、ドクターや歯科衛生士のアシスタント業務などをこなす大切なスタッフです。
職種・就職先は
●歯科助手
●クリニックの受付会計
●請求事務
医療秘書は医療行為全てに関する事務的業務を行い、専門職の業務をサポートします。院内における各部門間や患者との潤滑油的役割を果たせるよう、病院の成り立ちをはじめ、社会的な役割、組織のしくみや各部門職員の仕事内容、多職種連携における役割を学びます。
現在は、多数の専門職が協力しながら、一人の患者の治療にあたる「チーム医療」が行われています。この時必要となる医学用語や疾患の知識、薬の効果、検査の必要性、診療報酬の知識、医療に関わる法律を学びます。
見えていないところでも相手のために何かできるのかを考え、支えようとする心を持ち、患者や家族の気持ちに寄り添い積極的に関わる力を身に付けます。また、一人ひとりが自ら責任を持ち行動することが目標です。
医療秘書として医療機関の顔になるための専門教育と秘書教育が充実しているMICでは、就職時に採用の判断目安となる専門技術の資格取得率が高く、全国平均を大きく上回っています。医療機関で長年の実務経験を持つ教員陣が、資格取得のための特別カリキュラムで応援します。
基礎医学・臨床医学の概要、医療関連諸法令の概要、診療報酬請求など広範囲かつ医療に関連する総合能力が問われます。医科・歯科があります。
医療現場での業務を、円滑に進める能力を証明するもの。秘書実務、医療関連法規、医学的基礎知識、医療事務など幅広く知識・技能が問われます。
情報処理に関する知識、医療事務の知識、医事コンピュータ操作技能の3分野の知識と技能が問われます。
診療時における医師と患者とのやり取りを、シミュレーション化した問答形式問題を基に、電子カルテシステムを操作し、電子カルテを作成する検定です。
患者の受付・治療費の計算・診療報酬明細書作成など医療事務従事者に必要とされる技能・知識を認定するための検定。医学的基礎知識が問われます。
企業外部との取引を記録・計算する技能で、経営管理者・取引先・出資者等に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うためのものです。
表計算ソフトの有効な利用を通じて、情報処理能力を身に付けるとともに、情報化社会の中でコンピュータ活用能力の向上を図るための検定です。
日本語ワープロソフトの有効な利用を通じて、日本語の入力および文書処理能力を身に付けるとともに、コンピュータ活用能力の向上を図るための検定です。
歯科助手は歯科診療が円滑に行われるように行動する重要な役割を担っています。日本歯科医師会認定の歯科助手資格認定講習会を受講します。
いざという時に対応できるように心肺蘇生法、自動体外式除細動器(AED)の正しい利用方法等を学びます。上級救命救急講習を受講し認定されます。
医療秘書関連の試験の中でも一番の難関、「診療報酬請求事務能力認定試験」。試験の3週間前から『試験対策授業』が行われます。試験合格のため、教員と学生が一体となってこの集中授業に取り組み、毎年確実に成果を上げています。
医療機関実習を充実した2週間にするために、事前の演習をじっくり行います。演習では、医療機関実習で必要な基礎知識、患者応対の方法を、ロールプレイ(役割演技)形式で身に付けます。
また、高齢者施設演習の授業で、車椅子・介護ベッドの操作方法や、利用される方への配慮についても学びます。救急法の習得も重視し、上級救命講習を全員が受講。心肺蘇生、応急手当、異物除去、搬送法について学びます。
単なる事務職ではなく、多様な相手と柔軟に関わりを持てる人間力が求められる医療秘書の仕事。みんなで同じ目標に向かうクラスメイトと学び合い励まし合う環境で、コミュニケーション力が磨かれていきます。実務経験の先輩である教員にも勉強や実習の悩みを気軽に相談できる、フランクな雰囲気もMICのいいところ。周りのたくさんの人と自然に交われる、風通しのいい校風が自慢です。
医療秘書学科では、実践力を養う3つの施設実習を行います。実際の現場での学びが、大きな自信を育みます。
1年次1月
医療現場で患者様とのコミュニケーションの重要な部分を担う医療秘書にとって、小さな子どもたちとの関わりはとても大切になります。小さな子どもたちの特徴と関わり方を保育施設で体験学習します。
1年次2月
超高齢化社会を迎える将来、医療秘書にとって医療機関を訪れる高齢者の方とのコミュニケーション力も必須能力のひとつです。高齢者の方々と福祉施設でいっしょに過ごすことで関わり方を学びます。
2年次9月
実際の医療機関で2週間の研修を行います。医療スタッフの仕事内容、連携などについて見学・実習を通して学びます。学内だけでは学ぶことのできない多くのことを医療現場で体験できる貴重な機会です。
1. 病院内の見学
2. 仕事内容の理解
3. 実習
1. 医療現場で働くとはどういうことか理解する
2. 院内の仕事の分担と役割について理解する
3. 今後、学ばなければならないことを考える
1年次1月
3歳未満児から担当し、クラスは毎日替わりました。小さな子どもの相手は不慣れでしたが、保育士さんが子どもたちを促してくれて、自然に遊びの輪に入れました。子どもと目線を同じにするなど、関わり方の基本が日ごとに身に付きました。イヤイヤ期の子が、手がつけられないほど泣き出した時には「見守りながらも泣くだけ泣かせて」というアドバイスを実践。子どものペースに合わせることが必要だと知りました。
"病院に来る子ども"という想定はいつも意識しました。例えば病院を嫌がっている子に「大丈夫だよ」という声かけは、大人の主観からの言葉なので、園でも「大丈夫」は言わないと教わりました。まずは子どもの思いを聞いて、思いに同調してあげるのが大事だと学ぶことができました。
1年次2月
実習先は地元のデイサービスで、高齢者施設は初体験でした。要介護など何らかの疾患をお持ちでも、利用者のみなさんはとてもお元気で、行く前のイメージとは違って楽しい雰囲気でした。母が仕事の関係で多くの利用者さんと顔見知りなので、「あの山本さんの娘さん」と親しく接してくださいました。色塗りのレクリエーションで「ここはこの色でどうですか?」と話したりして、話題のきっかけにしました。「実習は大変だけど頑張って」という励ましの言葉が嬉しかったです。
車椅子を押したり、髪をドライヤーで乾かすなどの日常のお手伝いでは、必ず目を合わせて「今から○○やりますね」と声をかけてから動くことが大事だと学びました。一つ一つの丁寧な行動に相手への思いやりが表れると実感しました。
2年次9月
毎日違う部署に行き、総合病院の事務的業務を一通り経験させていただきました。実習前は医事課が主だと思っていましたが、総務課、人事課、情報連携室、各病棟も含めて、事務はいろんな部署に携わり、一つの仕事を連携して進めていることも知りました。学校のロールプレイングで学んだ患者さんへの対応も、精算機の案内や相談の受付などを通し、本物の現場で貴重な学びができました。
医療事務の知識もまだ足りないし、簿記やパソコンソフトの勉強も必要。同じ事務職の方だけでなく、医師や看護師、そして年齢も状況も異なる患者さん、などいろいろな立場の人と接するのが医療事務という仕事なんだと実感し、それぞれ関わり方の違いを身に付けることが大事だと感じました。
【病院】JA長野厚生連 北アルプス医療センターあづみ病院/JA長野厚生連/富士見高原病院/安曇野赤十字病院/穂高病院/一之瀬脳神経外科病院/松本市立病院/松本協立病院/信州大学医学部附属病院/相澤病院/城西病院/桔梗ケ原病院/木曽病院/諏訪赤十字病院/諏訪湖畔病院/前沢病院/諏訪中央病院/信州上田医療センター/上伊那生協病院/諏訪共立病院
【診療所】狩谷整形外科医院/古川整形外科医院/花岡こどもクリニック/佐藤耳鼻咽喉科医院/三輪眼科医院/須澤内科小児科医院/川原医院/丹羽外科医院/中村眼科/中田整形外科/北原レディースクリニック/種山医院/春山眼科医院/西川小児科医院/あおぞらレディス&マタニティクリニック/小島クリニック/兵藤整形外科医院/新田内科クリニック/ゆりの木クリニック/たかはし医院/ふかさわ耳鼻咽喉科医院/諏訪マタニティークリニック/花田眼科/細田眼科医院/今井整形外科/小口内科クリニック/向山内科医院/小池医院/岩田クリニック/松本眼科クリニック/土屋クリニック/高林内科呼吸器科クリニック/谷川整形外科クリニック/北原眼科クリニック/中村クリニック/長田内科循環器科医院
【歯科】熊谷歯科医院/神谷歯科/沢田歯科/清水歯科クリニック/ジュンデンタル/湖柳歯科医院/小野歯科医院/小澤歯科医院/竹渕歯科医院/土田歯科医院/ツカハラ歯科医院/栗山歯科診療所/鈴木歯科医院/きらり歯科医院/鈴木歯科クリニック/ももい歯科クリニック/中田歯科
【薬局・その他】松本医師会/㈱とをしや薬局/㈱日本調剤波田薬局/㈱日本調剤有明薬局/㈱日本調剤穂高薬局/土屋薬品㈱/アイン岡谷薬局/ももせ薬局/ナシダ薬局/なつめ薬局/みすずホーム薬局/ひまわり薬局/創生活環境運営(ひだまりの里)/社会福祉法人平成会
2016年3月卒業
須山 菜緒さん
勤務先
佐藤耳鼻咽喉科医院(松本市)
●医療事務
高校生の時に通っていた病院で、受付の方の明るい雰囲気が印象深く、医療事務に興味を持ちました。病院勤務という仕事に憧れがあったので、医師や看護師と一緒に働くことができるこの仕事を選びました。
窓口で患者さんの対応や、電話受付、カルテ作成、医療費の算定から会計まで、事務業務全般です。院内処方なので薬の説明などもします。忙しい時には診察室で看護師を補助することもあります。
耳の不自由な方などには、理解されているか目を見ながら、はっきり話すように心掛けています。マスク越しでも伝わるような笑顔も大事だと思います。私の顔を覚えて話しかけてくださるのも嬉しいです。
先輩たちは仕事の段取りが手際良く、見習いたい所ばかり。私は忙しくなると仕事の優先順位に悩むことがまだあって、患者さんを待たせないためにも、優先する仕事をきちんと見極められるようになりたいです。
2012年3月卒業
上原 麻利さん
勤務先
信州大学医学部附属病院(松本市)
●医事課入院係
中学生の時の職場体験で、総合病院の医療事務を経験しました。それまで医療関係に関心はなかったんですが、表に出る医師や看護師を支える"縁の下の力持ち"的な仕事である医療事務に魅力を感じました。
入院患者さんのレセプト作成、会計発行を行う窓口業務が主です。医師や業者の方とやりとりするので、医療系ドラマや業者のホームページを見たりして、話が通じる程度の医療知識を得るよう努力しています。
患者さんをはじめとして電話対応も多く、「あなたに聞いて良かった」と言ってもらえると励みになります。退院した後でもわざわざ声をかけてくれる方もいて、覚えていただいていることが嬉しいです。
指導や育成をする立場になってきたので、信頼される先輩を目指したいです。私自身、話しやすい先輩がいたので、私も相談される側の人になれるよう頑張りたいです。"優しく、時には厳しく"を心掛けたいです。
2018年3月卒業
小林 諒修さん
勤務先
信州上田医療センター(上田市)
●事務部企画課
薬剤師を目指していましたが挫折。ただ学んできた医療の知識を他で役に立てたいと考え、医療事務の分野なら活かせるのではと思い、資格取得を目指してMICを選択しました。
事務部企画課含め契約係として、給食用の食材、契約消耗品(パソコンを含め医療機器以外の広範囲)や、壊れてしまったものの修理を重点的に担当しています。納期を守るために予定や段取りには気を遣います。
お米や医療機器等の発注には入札が必要です。そのため自分が入札しないとお米がなくなってしまいます。責任重大な業務ですが、病院の役に立っているんだという充実感がやりがいにつながっています。
現在の契約係で入札や見積もり等の書類記入の知識と業務経験を積み、キャリアアップすることで、経理・給与計算など多様な事務職としての仕事全般を身につけていきたいです。
2016年3月卒業
伏見 萌さん
勤務先
なつめ薬局(池田町)
●医療事務
高校3年時に進路で悩んでいたとき、医療事務をしていた親戚の人から話を聞く機会があり、医療の仕事に興味を持ち、自分も医療分野で活躍してみたいと思うようになったことが今につながっています。
クリニックからの送付や患者さんが持ってこられる処方箋の受付、レセプト、薬の棚だし等の提供準備などが日々の業務です。薬剤料の計算と金額の提示は、スピーディにしかも正確に行うことが重要です。
薬の知識も増え、今は、薬のレセプトを任されていることがやりがいです。算定ミスもほとんど無く正確な仕事ができていることも嬉しいです。また高齢の方が多いので、ゆっくり、しっかりと話すことを日々心がけています。
市販薬を説明して販売をすることができる「登録販売者」の資格を取りたいと思い、少しずつですが勉強を始めています。まだまだ学びと知識が不十分ですが、来年か再来年の取得を目指して頑張っています。